2016年6月29日水曜日

雨の中で


相変わらず、半分車なし生活を実施中です

徒歩とバスや電車、タクシーで移動してるけど

やっぱり発見が色々あって楽しい

タクシーの運転手さんはスゴい裏道を知っている

20分かかると思っていたら10分で着いたりする

運転手さんは言う

「冬場はね、みんな寒さをガマンするんですよ」

「だからタクシー乗らないんです」

「でもねこの夏の暑いのはガマンできない」

「たまらなくなってタクシー乗ってくれます」

そういうもんかな、と思いながら

余った10分は何をするにも中途半端でその辺をウロウロしたりする

それは多分、いや相当怪しい

古いアパートの階段の下に隠れて日差しを避けていると
水がほどほどに汲まれた青いバケツがあった

風で小さく揺れる水面を覗いていたらアパートの人が帰ってきて

「ひぃ」とビックリされた

電車の中はといえば、クーラー効きすぎである

京都の地下鉄はなま温かく蒸しっとしてるがホームは冷えている

京都駅の地下から上がるといつも違う出口でちょっとビックリする

バスの中の制服を着た数人の中学生は席が空いているのに立っている

みんな疲れてぐったりしてるけど立っている

つり革にぶら下がって斜めになってるけどギリギリ立ってる


そして

知らない街を歩くのは最高に楽しい

先日

雨の中、大阪の住宅街を3キロほど道に迷ってウロウロした

ここにもそこにも僕の知らない誰かが住んでいて

忘れられない瞬間の積み重ねがそこにあるはず

家の外からは窺い知ることはできないけれど

きっといつもより少しだけ時間の流れが遅い休日の午後を

ちょっぴり持て余しているかもしれない


でもそれこそが、幸せの中にある生活ではないか

うーむ

と、そんな事を考えながら雨の中をウロウロしていたら

風で折りたたみ傘が反り返って壊れた



翌日のレッスン

4歳の生徒ちゃんが僕の似顔絵を描いてくれたが

手が短いところまで悔しいくらい特徴を捉えていて唸った

うーむ


しかし小顔にしてくれたので許す






















2016年6月21日火曜日

イニシエ


梅雨らしい蒸し暑い日が続く先週の火曜日

京都でのレッスンを終え、そのままレンタカーで奈良県へ


大峯山の麓、天川村に行ってきました


一泊二日の小旅行にはちょうど良い距離で、橿原を抜けて吉野を横目に見ながら国道309号線を南下、トンネルをいくつか抜けると次第に緑が深くなっていきます

暑い日だったので車の窓は閉めエアコンをかけていても、それでも次第に空気が変わってゆくのを感じる

そして

ふと、先月サンフランシスコから向かったヨセミテ国立公園を思い出しました


ヨセミテは、呆然と立ち尽くすほど物凄いスケールの岩山が無数に腰を据え、天川村への道中とは全く様子が違うのでどうしてかわからなかったけど

それでもヨセミテと同じだな

と感じたのです


夕方過ぎに洞川温泉の宿に到着

宿の主人に「お世話になります」と頭を下げると、愛想良く3階の部屋まで案内してくれた。先に着いて夕食を始めている客が何組か居るらしく、今ならゆっくり温泉に入れると案内もそこそこに風呂に放り込まれるかたちになった。

言われた通り風呂に入ると、確かに誰も居ない貸切状態である

洞川温泉の泉質は、特別トロトロするわけでも、色が付いているわけでもないが、ちょうど良い温度でしっかり身体の芯まで温め、癒してくれる。見た目からの想像以上にしっかりと身体に効いてくるから驚く。


夕食は一階の縁側にある別室に案内され、名物のこんにゃくから塩焼きの鮎、そしてグツグツと言い始めた猪の鍋に手をつけようとした時

縁側をバタバタと歩いてくる音がして、部屋の障子を勢いよく開けた宿の主人

今、蛍が飛んでいるらしいです!

「へぇ〜、今年は観てないです」

歩いてすぐの龍泉寺です!

「へぇ〜」

......(´・_・`)

「え?!今?!」

ご飯の途中で猪鍋のフタを取ろうとしていたところだが、宿の主人が動かないので下駄を借りて夜の龍泉寺へ。

カランコロンと音を鳴らし温泉街の小径を下る

昼間なら天然の鱒の群れが見える澄んだ水の川

小さな橋を渡るとすぐに龍泉寺に着いた

境内に入るとそこは真っ暗で足元はおぼつかなかったが、すでに何人か蛍を観に集まって来ていて、賑やかだった

池や小川の川草の間をフワフワと揺れる黄緑色の小さな光をいくつも観る事ができた。蛍の乱舞とまではいかないが、少ないわけでもないので、風流までもがちょうど良い今回の旅。

そしてふと大きな木にとまった蛍を見上げると、その先の夜空には少なめの星たちが遠慮してポツポツと輝き、月がくっきりと見えていて、その何とも言えない素朴だけども幻想的な光景は、人に優しくしたくなる、そんな気持ちにさせてくれるのです。

そして、夕方

ここへ来る途中に感じた、天川村とヨセミテとの共通点


それは

遥か古の人々に思いを馳せることができる

ということ

まるでタイムスリップしたかのような錯覚

でも間違いなく、この月明かりのみが優しく照らし出す山々は、今も昔も変わらない

きっとそれを優しい眼差しで見つめた人たちがいた

そう感じずにはいられなかったのです

ただそれだけのことで涙がでるのです



翌朝




早めに宿を出て、今回の旅の目的地である天河大弁財天社へ


とても素晴らしいところで、境内のベンチにいつまでも座っていたくなるような何とも安らげる場所





その後は、みたらい渓谷を散策







とても美しい水

先生と一緒に来ていた子供たち





またひとつ
帰ってきたい場所ができました。


2016年6月14日火曜日



家から大きな道を挟んだ向こう側にあるバス停へ向かう


歩道橋を渡るとその上から新しくできた小学校が見えた


ああ、あそこに建ったのか、と家から意外と近いことに驚く


車からは見えなかったのだ


休み時間

校庭から子供達の元気な声が聞こえる

暑い日だったので、日陰のないバス停にはすぐ行く気にならず

歩道橋を渡りきってからも橋桁の陰に避難した

10メートルほど先、バス停のベンチを見ると老夫婦が静かに座っていた


ふと校庭の方へ目を移すと、もう子供達は一人もいなかった


しばらくするとカーブを曲がってバスが来た

バス停に近づくとベンチに座っていたおじいさんと目が合った

僕は軽く会釈をした

おじいさんはすぐ目を逸らした


2日後


バス停のベンチには同じ老夫婦が座っていた

時間帯は違ったがどこへ行くだろうか

おじいさんと目がったので今度は「こんにちは」と声をかけてみた

おじいさんはベンチに座ったまま、静かに会釈をしてくれた


いつも車を運転していた道をバスやタクシーで通ると全く違う景色に見える

そして

やっぱり僕は人を見るのが好きだなと気づく

1時間に一本のバスには多くても4,5人しか乗っておらず
このままでは当分バスの本数は増えそうにない

車内を見渡すと、高校生はスマホを覗き、おじいさんはただただ目を閉じているが

皆一様に俯いている

静まりかえった車内の後ろの席から、バスの揺れに合わせて見え隠れする後頭部たちを観察していたら


ふと


モグラ叩きを思い出し


ひとりニヤニヤしています。


京都でのレッスンが終わり、会場を出たら夜の御池通り

以前は地下駐車場から車で出張レッスンに向かっていたが

車が無いのでタクシーで移動してみた

木屋町御池に停まっていたタクシーは個人タクシーで

運転手さんはすぐに話かけてきた

「音楽教室の方ですか?」

楽器を持っていたからだろう

「少し前までここから小さいお嬢さんを乗せていたんですよ」

「バイオリンを習われていました」

「しかし進学されてお役ご免になりまして…」

「お母さんと乗る時は大人しいけど、ひとりで乗る時はおじちゃんお菓子くれる?って言うんですよ」

「そしてお菓子あげないと泣くんですよ!」

「困ったもんです!」

だけど運転手さんは楽しそうに話していた

「小さい子どもだから、同じ運転手の個人タクシーが良かったみたいで山科まで行ってました…」

きっとそれは忘れられない思い出になっていますよ、と僕は言った

「そうですかねぇ…」

自分で運転しているとタクシーに乗ることが少ないので、ただただ自分を運んでくれる便利な箱としか思ってなかったけど、人が運転して人が乗ってくるわけで、その近距離の車内ではいろんなドラマがあるんだろうなと思った。


近くにあったのに知らない世界

ちょっと自分が変わるだけで出会える人たち

八方塞がりなんてない

そう信じて頭ひねって考えれば絶対に何かを拾う事ができる

ちょっと動けば景色はみるみる変わってゆく

自分を貫け

突き抜けろ

そんな事を考える今日この頃

大好きなミュージシャンのノブちゃんが自身の焼肉屋「たなぼた」でランチをはじめたと聞き行ってきました。




先日、かえる庵(僕の家)でとある打ち合わせをし、まあ半分以上は飲み会であったが
その時に僕の新しい音源を聴きながらノブちゃんは力強く激励してくれた。

「アキラ、CDめちゃくちゃええやんか!今年は攻めなアカンで!こんなええもんが出来たんやから!勝負せな!」

めちゃくちゃ嬉しかった

まだ今ほどフェスが盛んでない頃にロンドンのフェスに出演、ジョーストラマーとも煙草を吹かした仲のノブちゃん

感性で生きる人


めちゃ忙しいのにポーズ取ってくれたけどブレブレでした…(サーセンッ!)


キラッキラに輝くMr.ネバーギブアップ


めちゃくちゃ美味しかった!!ありがとう!!


2016年6月7日火曜日

マスター


木曜の夜から能登半島のペンションクルーズへ行ってきました。



昨年はライブやプライベートでも大変お世話になり、気がつけば1年で4回も行ってしまった。

新しいアルバムの曲の大部分はクルーズで作りました。

とはいえ、音楽好きのマスターはなかなか寝かしてくれないので(通称朝まで生ギター)、日中も逃げるようにギターを持ち歩いて隙を見つけてはバルコニーやロビー、玄関先でアイデアを録音して帰って来たのです。


マスターはペンションのオーナーなのだが、30年前にペンションをはじめる前は金沢で喫茶店をされていた。そんなわけで今でもマスターと呼ばれている。

そのマスターが新しくログハウスを購入されてリノベートしているという事で、見せてもらって来ました。



しかし





やっぱり朝まで生ギターになり、カップラーメンにお湯を注いで食べないまま外は明るくなった。


そして翌日も朝からマスターと一緒




ペンションの写真を撮ってたら急に現れたカフェクルーズのしん君
「あ、岡部さん、父を知りませんか?あ、写真、すいません」パシャ の図

マスターは虫みたいにチョロチョロ動くので、しん君とまいこちゃんは1日中マスターを探しているにではないだろうか…



そして今回も新しい出会いがありました。

中日新聞の記者、榊原くん。

彼はバックパックで世界を旅した若者。
3ヶ月前に能登に赴任して来て、早々に運悪くマスターと出会ってしまい、この日も夕方に来たのに晩ご飯食べて行く?となり、話し込んで結局帰ったのは12時前である。

悲惨である

マスターはキラキラした目で喋り続け



最後に水分をほとんど米が吸収したお茶漬け(もしくは、ものすごくふやけた米)をすするのである



滋賀に帰る日、翌日からクルーズで開催される展示会のために世界的な古布服デザイナーのこばやしみえこさんがお見えになった。



ワクワクする作品たち







古布とクルーズのコラボは素晴らしかった。


そのお礼に、先のログハウスで一曲弾かせてもらいました。



マスター、今年は何回行けるかな?
いっぱいバカやって遊びましょ♪